2016年12月14日水曜日

【小学6年】ものが燃えるとき、実際に酸素中に火のついた線香を入れてみた。

教科書に載っている実験です。

これまで、ちょっとしたアイデアを加えた実験を紹介してきましたが、この前あることに気づきました。
若い先生方の研修に入らせていただいたのですが、結構、理科の知識が身についていない。例えば顕微鏡の使う順番が覚えられていない・・・などがわかってきました。

実際に話を聞いてみると、理科を専門に勉強されてきた方以外は、「わからない。だから、実験が恐い」という方も多く、実験をしない先生も現実にはおられると聞いたことがあります。

そこで、アイデアものだけでなく、友人(小学校の先生)の協力を得て、通常の実験も公開していこうかと思います。多少、薬品仕様などで制限を受けますが、そのあたりはご勘弁ください。

今回は、「多量の酸素中に、火のついた線香を入れるとどうなるか」です。
酸素には助燃性があります。

酸素自体は燃えることがありませんが、燃えているものがあればそれを助ける、つまりパワーアップさせる力があります。
通常は、空気中に含まれる酸素の量は約20%です。残りのほとんどは燃性のない窒素ですので、空気中でものを燃やすと、たいがいのものは穏やかに燃えます。
しかし、この窒素等がない状況、つまり、多量の酸素の中に燃えたものをいれるとどうなるかという実験です。

だから、どうなるかを知らない人は結構恐い!と思っているのです。
やり方さえ間違わなければ大丈夫ですよ。

まずは、集気ビンの底に熱いものが落ちてもいいように、水か砂を薄く張っておきましょう。これだけでも安全性がぐっと伸びます。
では、動画を御覧ください。
教科書にはこの他にも、スチールウールを燃やす実験が載っていると思います。
このとき、熱くなった鉄のかたまりがポタッと下に落ちてビンの底が割れることが多く、これを防ぐために、普段から水や砂を入れるくせをつけておくといいですよ。

ちなみに、この助燃性、結構いろいろなところで事故が起こっています。
まず、花火。
花火は様々な金属の燃える色(炎色反応って学生のころ習いませんでした?)を利用して作られています。しかし、実際に金属が「燃える」というだけでは、穏やかに燃えるだけです。これを粉にすることで、周りの空気中の酸素と結びつくことで、連続して燃焼し、爆発という形に変わるのです。だからこそ、花火工場は少しの火元も厳禁!ライターのカチッとするところだけでも恐いですからね。

同様に、粉塵爆発といって、小麦粉でも粉が舞い散れば、周りの酸素との接する面積が大きくなります。ここに火がつくと連続して爆発するんです。小麦粉が爆発するんですよ!

さらにガソリン。
実は、ガソリンはアクション映画のように爆発しません。ガソリン自体は可燃性があり、燃えるだけです。しかし、気化しやすいという特徴があり、空気中の酸素と混ざった時に火がつくと爆発するのです。これも前述の二つと同じようなもの。

中々に酸素ってすごい力をもっていますので、性質をよく理解することって日常でも大切なんですよ。

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