2016年11月4日金曜日

【中学3年】運動とエネルギー、防災と理科の関係。さすまたってご存知?

最近、多くの学校に導入されている防犯グッズ「さすまた」

みなさん、ご存知でしょうか。不審者対策に用いられています。
では、正しい使い方はわかりますでしょうか?

実は、中学3年で学ぶ滑車や輪軸といった考え方を知っておかないと、
この防犯グッズは危険な”不審者の武器”になってしまうのです!

では、どのような事が危険で、どのように使っていくべきかを科学的に考えてみましょう。




まず、持ち方ですが、柄の部分をもって、二股に開いた方を不審者に向けて持ちます。

さぁ、動きを止めに行きましょう・・・としてはいけません!
写真をよく見てください。
【柄の部分】と【二股の部分】、直径が大きい方はどちらでしょう?
当然、【二股の部分】のほうですよね。

さぁ、輪軸の学習を思い出してみてください。
直径の大きい方が少ない力で回すことができます。ということは・・・?
二股の部分を不審者に掴まれた場合、回しながら奪い取ることが可能ということになります。

なぜ、こんな変な道具が「不審者対策」なのでしょう?
実は「さすまた」は昔は「刺股」と言われ、二股の部分には刃物がついていました。
それを刺すから刺股。しかし、危険(というか銃刀法違反)で刃物部分がなくなっています。

ですから、この「さすまた」を昔の使い方で使うことがそもそも無理なのです。
そこで今では・・・、
①二股部分の片方を不審者の顔の方に当てに行くことで萎縮させる。
②二人がかりで、一人が前から警戒心を与えている間に、後ろから二股部分でひざかっくん。

というのを警察の方に教えていただいたことがあります。
ちなみに①はそのまま横にした状態で顔に当てに行くというのもあるそうです。

科学的な知識がないと、防災グッズも防災になりません。
こういったことを「身近なこと」として理科の時間に触れてみるのも面白いですよ。


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