2016年11月10日木曜日

【小学3年】風やゴムのはたらき、風のはたらきを簡単な工夫でわかりやすく!

「風やゴムのはたらき」を調べる単元より、今回は「風のはたらき」について取り上げます。
一般的には次の写真のような風で進む車を用いて調べているようです。
”帆”と”車輪”がついていて、風の力を受けて進む構造になっていれば何でもいいのですが、今回は、たまたま手元にあったので誠文社の教材をお借りしました。帆が厚紙なので、風でたゆまないところが良く、また、車輪がひっかかるわけでもなく、滑りやすすぎるわけでもなく、ちょうどよいので実験がわかりやすくなると思います。
(こういう視点で教材を選ぶといいですよ。)

さて、実際の教科書の実験と私が考えたやり方との違いを見ていきましょう。




実はこの単元、先生たちに話を聞くと、悩んでいる方が多いことがわかります。
それは、なぜでしょう?

教科書では、扇風機やサーキュレーターで「風を当てて車がどれくらいの距離進んだか」ということで実験をしています。当然、弱い風では短い距離しか進まず、強い風を受ければ、その力でビューっと勢い良く飛び出し、遠くまで車を運んでくれます。
しかし、これは「本当に風の”力”を調べているの?」と質問を受けたことがありました。
結論から言いましょう。
力を調べてはいるのですが、複雑に様々な要因が混ざっているため、実験としては判断しづらくしてしまっていると考えられます。
ここで調べるのは「風のはたらき」=「風の強さ」=「風の力」のはず。つまり、車の「速さ」に目を向けなければなりません。
実際には「速く走る車」は遠くまでたどり着けるので、距離で調べようとしているのでしょうが、ここには一つの制限があります。
それは、本来なら初速だけを与えないといけない、ということ。
最初に一瞬(単位時間)だけ風を当てて、すぐに止めるということができたなら、距離で調べるのはオッケーです。しかし、継続して当てると、実際には「風の到達地点」を調べているだけで純粋に「風の強さ」を調べているわけではありません。

おそらくスピードという測りづらいものよりも、距離で(数字で)測れるものに触れさせて科学的な調べ方を身につける意図があるのでしょうが、この設定のために、先生たちが理解しづらい単元になっているのも事実かと思います。

そこで・・・、
実験動画では次の道具を使いました。
見ての通りの粘土です。
まぁ、ただのおもりですが・・・。

実験動画では、このおもりを車に乗せて、車体を重くしました。
動画では、もっと調整の必要があると思いますが、先生の方で工夫して重さを調整し、微風では「動かない」、弱風では「ちょっと辛そうに動く」、強風では「はっきりとわかりやすく動く」ぐらいの重さを作っておきます。(動画では微風でも動いています。)


こうすることにより「風の力」を車の速さとして体感することができるようになります。まさに力=距離ではなく、力=力で調べられるのです。この場合、一定の風力がないと車体は動こうとしません。また、そのラインを超えても弱風程度では車をそこに留めようとする摩擦力が強く働き、中々前に進むことができません。よって、数字でなくても目でもはっきりと違いが意識できます。

ただ、欠点としては同じような実験を次の「ゴムのはたらき」でも使えるかというと、そうではないと思います。おもりを固定していなければ、ゴムをはじいた影響でおもりが落ちたりコースをそれたりする上、ゴムの反動は元々強く、「全く動かない」という設定が難しいからです。

教科書ってよくできていますね。
でも、こうした一つの工夫でわかりやすくもできるということをわかっていただけると嬉しいです。

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