よくあるものに「マルデブルグの半球」というのがあります。
これは半球を二つ重ねて中の空気を抜くと、外からの大気圧で半球が割れなくなる、というものです。
再現するために、キッチン用のボウルを使っているのが多いようですね。
ボウルにドアの取っ手(ホームセンターで買えます。)をつけて、半球同士が密着するようにドーナツ型に切ったゴムのパッキンを間に挟んで作ります。合わせる前にエタノールを極少量入れて火をつけることで空気を膨張させて追い出し、素早く合わせるとくっついてしまうという寸法です。中には自転車の空気を入れるノズルをつけて真空状態を開放できるようにしたものもあります。
しかし!ここまで書いて分かるように面倒!
&材料費がけっこう大変な上に、全部安価に揃えるためには、いくつかのショップを駆けずり回る必要が!
ということで、今回も100均の助けを借りて、すぐにできる方法でやってみましょう。
【準備】
・プラスチック下敷き(きっちりフラットになったもの。ザラザラしたものはダメ)
・吸盤付きタオル掛け(吸盤があれば何でも。ただ、吸盤の根本はしっかりしたものがオススメ)
だけです。どちらも100均で購入可能。
ちなみにタオル掛けはフックにすれば、2個で100円とお得!
さぁではやってみましょう。
なぜ、こんなことができるのでしょう?
もう、おわかりですね。
我々の周りには空気があり、頭の上にはたくさんの空気が乗っかっていることになります。どれくらいの重さかというと1平方㎝あたり約1㎏です。頭の上の面積をちょっと小さめに100平方㎝とするとなんと100㎏!
これらは実際には「圧力」という形で、頭の上からだけでなく、周りから前進を押されていることになります。だから頭は前後左右からも100㎏の力で押されています。
なぜ、私達の体が無事なのでしょう。それは体の中からも同じ力で押し返しているからです。今回はこの「押し返す」力がないとどうなるか、という実験ともいえますね。
この実験では、まずプラスチック下敷きと机の表面がピッタリ重なっていることに注目してください。「ピッタリ」ということは空気の入る隙間がないということですから、下から空気は押してくれません。そこで、次の写真のように
上から空気で押されるのみになります。
この時、下敷きの面積は適当に見積もって500平方㎝弱。
つまり、吸盤一つで500㎏のものを持ち上げようとしているのですから、動かせるわけがありません。
そこで、机の代わりにフラットな表面の板で試してみました。
すると次のようになります。
板と下敷きの間には空気がありません。
しかし、板の下からは空気が押してくれています。
つまり、板の方から下敷きにくっついてくれているようなもの、ということですね。
このおかげで、まるで接着剤でつけたかのように板が下敷きについた状態で持ち上がるのです。
ただし、注意があります!
横滑りはするので、あまり板を無理に持ち上げると板が横にスルッと滑ってきて足の上に落とすかもしれません。学校でする時は十分にご注意を。
また、下敷きを外したいときは空気を入れればいいわけですから、角を少し持ち上げてあげましょう。簡単に外すことが出来ますよ。
空気の力ってすごいですよね。
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