小学校の先生は一人で全教科を教えなければならず、とてもたいへんです。
もちろん自分の専門教科ではないものもあることでしょう。
それでも、まるで専門のように常に学んでいかなければなりません。
そんな中、「理科(科学)が専門でない方」が恐れることが2つあります。
一つは安全。
火を使った実験や、薬品を使った実験。「本当に書いているようになるのかな。混ぜ方はまちがっていないのかな。」といった不安がいつもついてまわります。
もう一つは生命。
動植物を育てることについて苦手という方も多く、「私が育てるとすぐ死んでしまうので嫌だ!」という声も。触るのが元々苦手な方はある意味仕方ないのですが・・・。
今回は、この二つの内、後者である「生き物を育てるのが苦手な方」を対象に豆知識を書いてみたいと思います。
5年生では「メダカのたんじょう」という単元があります。
この中ではメダカを観察することで学ぶという体験があり、そのために飼う学級も多いものです。しかし、実は教科書通りするとたいへんなことになる場合もあるのです。
一度、教科書通りの「飼い方」を復習しましょう。
【飼い方(教科書上)】
①水槽は直射日光の当たらない明るい場所に置く。
②水が汚れたら半分から3分の1くらいを汲み置きの水と入れ替える。
③エサは食べ残さない程度を毎日1〜2回あげる。
④メスとオスを同じ水槽で飼う。
④については卵を観察するためということはすぐわかるでしょう。
しかし、実際に危険なのは①なのです。
「直射日光の当たらない明るい場所」とありますが、ある理科の先生はこれでメダカが弱っていき、最後には全滅してしまったというケースがありました。
予想される原因は・・・「寒さ」
その学校では理科室の場所は校舎に挟まれた日が当たらない場所にあり、一日の内に光が差し込む時間は極わずかだそうです。だから、冬の寒さは肌を直撃!かなりきついらしいのですが、そんな中、教科書通り「日の当たらない北側」に置いたところ、水温がかなり下がっていたのでしょう。メダカが弱ってきたというわけです。
この「直射日光に当たらない」とはどういう意味なのでしょう。
それは水温を上げすぎない、ということです。
しかし、逆に水温を下げすぎてもだめです。なぜなら、動植物には「適した温度」があるからです。
おそらく、メダカの学習の前に、植物の発芽条件について学んでいると思いますが、これには水・空気・温度の三種があります。これは「発芽の条件」と書かれていますが、単純に「生命が生きていく条件」でもあります。(発酵細菌など特別な例を除いて)
だからこそ、マニュアル的に飼うのではなく、”地域の特性や水槽の場所”を考慮して配置を決めなければ、適した温度をキープできないというわけです。まぁお金があればヒーターを飼うと思いますが。
北海道から沖縄まで、学習指導要領は同じなのに、環境が違います。
教科書はあくまでも一般論。周囲の環境に合わせて変えてあげられるようにしてあげてくださいね。
0 件のコメント:
コメントを投稿