2016年11月19日土曜日

【豆知識】偏光板を使った面白実験。通り抜ける壁を作ろう!

「偏光板」というのをご存知でしょうか。
光の波を一定の方向だけ制限する半透明の板です。
実験の前に光について、さらに解説を増やしましょう。

光は粒子と波の両方の性質を持つことは以前お伝えしました。
http://dreamscience1013.blogspot.jp/2016/11/blog-post_5.html
この波もまた特殊で、縦波と横波の両方を持っています。
つまり90度ずれた波が同時にやってくるわけです。
偏光板は片方の波を通れないようにします。

この性質を使ったのが、今回の実験です。
では、見ていきましょう。


偏光板で片方の光を遮断できるということは、もう一枚用意して90度回して重ねてみるとどうなると思いますか?
縦も横も両方の波を遮断するため光が通らない、つまり黒く見えるようになるわけです。

動画の箱は有名なもので、ちょうど斜めから見ると手前の偏光板と向こうの偏光板が90度ずれていることから、まるでそこに黒い壁があるかのように見えるのです。

そこに「ものさし」をつっこんでみると、壁を通り抜けているように見えて、ちょっとマジックのようですよね♪

では、動画を御覧ください。

動画では両側に蓋をして「ものさし」だけが通り抜けられるようにしています。
こうすることで、元々「壁なんてないじゃん!」といわれないように隙間を小さくしているのです。


ところで、この偏光板、結構身近なところで使われるようになったことをご存知ですか?
映画で最近増えてきた3D映画を見る際に、劇場で配ってくれるあの「メガネ」です。あれは偏光板でできています。

二つのレンズは90度ずらしてつけています。(実際に2人分のメガネを重ねるとよくわかりますよ。)そして、映像を移すカメラにも偏光が加えられています。
2台の映写機はそれぞれ右目用の映像と左目用の映像が映るようになっているのですが、偏光板メガネのおかげで、右目には右目の映像、左目には左目用の映像しか映らないようになっているのです。

このように映る光を選べるというのも偏光板の力の一つですね。

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